2025年5月 アーカイブ

2025年5月6日

ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2025

 フランスで始まった世界最大級のクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」。『熱狂』を意味するこの音楽祭は日本では近年GWに東京フォーラムで開催されるのが定番となりました。
 今回私は、小林愛実さんとダヴィッド・カドシュがそれぞれ、ローベルト・シューマン、クララ・シューマンのピアノ協奏曲を演奏するコンサートを聴きに行きました。
小林さんは、これから演奏する情熱的な協奏曲のような真っ赤なニットのパンツスーツで登場されました。
 そして演奏が始まると、冒頭のテーマの第一音を聴いて私の心は鷲掴みされました!なんてクリアーな、全く不純物の無い氷のような、それでいて少しでも触れたら壊れてしまいそうな儚さのある美しい音でした。その後も中間部はうっとりする程美しく、そしてクライマックスでは時に自身の体重を最大限に使って、小さな体でもオーケストラの演奏に負けない力強い演奏でした。
 ちなみにテーマの「ドシララ」のメロディ、ドイツ語では「ド」はクララの頭文字と同じ「C」と書くため、このメロディは「クララ」と愛する妻に語りかけているのです。そしてこのテーマは曲中で何度も何度も登場します。ローベルトの妻クララへの愛の深さが想像できますね。
 カドシュが演奏したクララ・シューマンの協奏曲は彼女がまだ13歳だった頃から作曲が開始され、少女時代から天才ピアニストとして名を馳せたクララらしく、ピアノ独奏の技巧的なパッセージが随所に見られました。オーケストラパートにはローベルトの助言も反映されたとも言われているそうですが、私には第二楽章から第三楽章への導入部分のティンパニが、ローベルトの協奏曲の冒頭を彷彿とさせられて面白かったです。
 カドシュの演奏もピアニスティックな上品な音色と華麗なテクニックで、終始惹き込まれました。

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